2019/12/10
近年、海外だけでなく日本でも増えてきた散骨。 遺体の廃棄や墓地以外への埋葬は違法なのですが、散骨については法務省から「節度をもって葬送の一つとして行われる限りは問題はない」との見解を示されており、葬送の一つの方法として認められています。 散骨が選ばれる理由とは、、、
「自然に還りたい」
- 海や山が好きだったので、最後は自然に還りたい。
- 人間もすべての生物と同じように自然に戻るのがいい。
- 大自然の中で眠る方が故人らしい。
「お墓に入りたくない」
- お墓に入るより、散骨の方が明るい感じがする。
- お墓を造ることで、維持管理等、子供たちに負担をかけたくない。
- 無縁になる心配がない。
散骨のなかでも「海洋散骨」は名前の通り、海に散骨する散骨方法です。海に散骨すると言っても堤防の上からや砂浜などから散骨するわけではなく、船で沖合に出てて散骨します。ご自身の船や知人の船などで、ご自身で散骨される方もいるようですが、海洋散骨業者にお願いするのが一般的です。
海洋散骨にはどのような種類がある?
大きく分けると、3つの種類があります。
もっともシンプルなものでは、業者に遺骨を預けて散骨をしてもらう「代行散骨」。次に複数の遺族が同じ船に同乗して行う「合同散骨」。そして、一家族で船をチャーターする「チャーター散骨」があります。
散骨に適した季節
春や秋など、穏やかな気候の時期に希望する方が多いですが、通常、年間を通じて散骨は可能です。
季節ごとに景色も変わります。海洋散骨でいえば、特に冬は海がきれいな時期と言われています。
散骨する際は、遺骨をそのままの形で散布せず「遺骨を2ミリ以下に粉砕しなければならない」と法律で定められているため、個人で散骨を行うことは一般的には難しいです。
そのため、散骨の扱いのある葬儀社か、散骨専門の業者に依頼する必要があります。
散骨の流れとしては、通常の葬儀を行った後、遺族の日程を合わせたうえで簡単な儀式とともになされることが多いようです。
散骨のメリット
お金の負担が少ない
散骨の大きなメリットとして、負担するお金が少ないということが挙げられます。
粉骨や散骨にかかる費用は必要となりますが、お墓を建てる場合に100万円以上が必要となることと比べると、10分の1以下の費用で済ませることができます。
お墓の維持費も必要無いため、自分の子供や孫にも負担をかけずに済むでしょう。
お墓を持っている限りは、遺骨をお墓へ入れるため納骨を石材店に依頼したり、お坊さんにお墓の管理費を支払う必要が生じるため、お金がかかり続けることになります。
離檀をして散骨による供養に切り替えることで、今後必要となる費用負担を大幅に減らすことが可能となります。
故人の希望に沿うことができる
人によっては、亡くなった際にお墓の中に入れられるのではなく、自然に還してほしいと考える人がいます。
1990年までは散骨をする人が誰もいなかったため、海や山に遺骨を撒いてほしいと願っても叶うことはありませんでした。
現在は海や山といった、より自然に近い場所で還りたいという、故人の希望を叶えることができるようになりました。
後継者を気にしなくて済む
お墓の後継者を巡る問題は、ニュースで取り上げられたこともあります。
お墓が増えるに従い、金銭面から維持管理をすることが難しくなってしまったり、お墓を引き継ぐ子孫がいないといった問題が浮き彫りになりました。
散骨であれば、遺骨を自然に還してしまうため、管理すべきお墓が残ることもありません。
自分のお墓の維持管理をする人を求める必要が無いことも、散骨の大きなメリットの一つであると言えるでしょう。
ペットの散骨もできる
ペットのお墓を作ることも可能ではあるものの、金銭的な問題や、霊園の許可が得られないといった問題などからペットの供養が難しくなる場合もあります。
散骨であれば、ペットの遺骨も少ない費用負担で行うことができるため、飼い主としてしっかりと供養してあげたいと考える人にはおすすめです。
また、ペットのお墓を作る場合は、人間のお墓と別管理されてしまうことが普通です。
散骨であれば、飼い主とペットの遺骨を同じ場所に散骨することで、家族の一員として供養ができることも嬉しい点です。
散骨のデメリット
周囲の理解を得られない場合がある
先にご説明したように、すでに1990年から散骨は開始されていましたが、散骨が広く認知されているとまでは言えない状況です。
散骨をすることに対して、遺族から反対の声が上がる可能性もあるため、周囲の同意を得てから散骨をするようにしましょう。
遺骨をお墓に入れることが大切な供養であると考えている人は多いため、他の遺族とのトラブルを避けるためにも、事前にしっかりと話し合うようにしてください。
遺骨が残らない
散骨をする際は、遺骨が粉末状になるまで粉砕した上で海や山に撒くため、遺骨が手元に残りません。
遺骨をお墓に入れたり、形見として持ち歩くことができなくなるため、散骨してから後悔してしまう可能性もあるでしょう。
不安な方は、遺骨の一部をアクセサリーにするサービスなどがあるため、散骨の前にそちらを利用してみると良いでしょう。
形見として一部の遺骨を手元に残しておくことができれば、散骨をしてから後悔してしまうことを避けることができます。
散骨にかかる金銭的な負担
散骨は従来の埋葬と比較すると遥かに費用負担が少ないものの、ある程度の費用がかかることは覚悟する必要があります。
葬式の費用に加えて、遺骨を粉砕するための費用や、海洋散骨の場合は船舶借用代など、散骨ならではの費用負担が必要となるでしょう。
「散骨」を選ぶ理由はさまざまです。それだけ故人やご家族にとっての大切な物語があるといえます。
「遺骨の一部を散骨する」というように選択肢も豊富にあります。
もっともよいお別れになるよう、ご家族や親せきの方と事前にきちんと話し合い、事前に家族や親族の同意を得ておくことが大事です。
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