お墓が足りない
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2020/11/09



台湾の台北市の公共墓地の不足がかなり深刻な状況であることを知りました。台北市のある議員が指摘されるには、台北市はあと数年のうちに、「死んでも葬る場所がない」という問題に直面するとのことです。民間の墓所なども存在しますが、毎年毎年、価格が上昇しており、一般市民には手が届かなくなっているようです。
その議員は台北市が積極的に環境保護葬(中国語の原文では「環保葬」です)を推し進めようとしていない姿勢を批判していました。「環境保護葬って何?」って思われる方もおられますよね?そのニュースで例示されていたのは、「樹葬」「花葬」「海葬」でした。台湾において、「樹葬」は「殯葬管理條例」という法令上に定義があり、公共墓地内の土の中に遺骨を埋め、その上に花や樹木を植えるか、あるいは樹木の根の部分の周囲に遺骨を埋める埋葬方式をいいます(「花葬」の定義はないですが、花を植える場合を「花葬」というのでしょう)。「海葬」についても、上述の法令に直轄市などが一定の海域に散骨することを認めることができるように規定されています。

日本の法令には、このような埋葬方式が規定されていないので面白いと思いました。日本の「墓地、埋葬等に関する法律」には「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。」という規定があり、本規定に基づけば「海への散骨」についても違法と解するのが通常の解釈だと思います。実務運用として、漁業者などに配慮した形で黙認されている可能性はありますが、法令上、特に「海への散骨」を認めた規定はないと思われます。
その他、日本における「樹葬」は、東京都や神奈川の公共墓地においては既に開始されているようで、東京都の都立小平霊園で2012年に第1回目の「樹葬」の募集をしたところ、都立霊園では初ということもあり、メディアでも大きく取り上げられ、初年度500体の募集に対して16倍の応募が殺到したという記事をネットで見かけました。東京や神奈川も便利な場所に墓地を新たに購入するのは台北と変わらず難しいので、今後もこのような「樹葬」の人気は続くのでしょうね~。

台湾においては、上述の議員の方の指摘によれば、「樹葬」「花葬」「海葬」という埋葬方式を希望して亡くなる方は、そう多くはないようです。ただ、今の若い世代が老人になる頃までには、「樹葬」「花葬」「海葬」のような埋葬方式も認知が進み、こういう埋葬方式を選択する人も増えている



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